債務整理」とは、何社もの消費者金融やクレジット・カード会社から多額の借金をして、その返済ができなくなった方を対象に、これらの会社との個別交渉や裁判所への法的な手続を通じて借金の返済の負担を軽減するものです。債務者が経済的に立ち直るのを支援する、国が認めた法的手続きです。 
 司法書士や弁護士が債権者(貸金業者等)に対し、債務整理の依頼を受けましたという通知をすると、債権者は直接債権者本人に取立や連絡をすることができなくなります。 また、債務整理の手続が確定するまで、借金を返済する必要もありません。

債務整理」には、次の4つの手続きがあります。

1.任意整理 裁判による手続きでなく、債権者(貸金業者など)に直接交渉し、利息や毎月の支払金額を減額してもらうことで、自己破産せずに借金を減額することができます。自己破産よりも利用しやすく、比較的制限も少ないため、債務整理の手続きの中では一番利用されています。
※過払い金で借金を返済する場合、借金が残ると任意整理扱いになります。

2.特定調停 裁判所で調停委員の指導のもとに、債権者との今後の返済条件について話し合います。利息制限法での再計算をすると、借金が減額になることもあります。

3.個人再生 個人債務者のための再生手続きです。将来にわたって継続的に収入を得られる、給与などを定期的にもらえるという見込みがあり、かつ借金の額が3000万円以下という条件の方に当てはまります。再生案が認められると、借金額の5分の1または100万円の、どちらか多いほうに減額されます。

4.自己破産 債務整理の手続きの中で、最も知られています。破産宣告を得て、免責決定が下ると、その後の返済義務がなくなります。世間で思われているほど破産者の不利益も多くありませんが、破産者の財産は処分されてしまいます。

 なお、これらの法的手続きは借金の額や期間、資産、収入及び生活の状況などによって、手続きが異なります。どの「債務整理」手続きを選択するかがとても重要です。私たち司法書士などの意見を参考にしていただくことをお勧めします。

債務整理」をわかりやすくいえば「借金の整理」となります。借金を整理する手続きにいくつかの種類があることは、すでに説明させていただきました。
 では「債務整理」を検討するのは、どのようなタイミングがよいでしょうか。

◎借入額が年収の3分の1以上
◎3以上の会社から借り入れ、自転車操業の状態
◎支払いを1ヶ月以上滞納している
◎クレジットカード会社からの強制解約
◎返済をしているが残高が減らない

債務整理」は司法書士などの法律のプロに依頼して借金を減額・免除できる制度です。
債務整理」の手続きが始まると、金融業者などからの督促を止めることができます。債権者に対して司法書士が「受任通知」を送付すると、その時点で窓口が債務者から司法書士側に移り、取り立てから解放されるからです。また、手続きを進めている間は一時的に返済しなくてもよくなります。

 しかし、デメリットもあります。ほとんどの「債務整理」では、個人信用情報機関に事故情報として登録され、金融機関の「ブラックリスト」に入ります。「ブラックリスト」入りすると、その期間、下記のことができなくなります。

◎新しいクレジットカードの発行不可
◎カードローンやキャッシングの利用不可
◎車や家などを購入するためのローン利用不可

 
債務整理」の内容にもよりますが、家や車などの財産は「自己破産」した場合は手放さなければならず、「個人再生」の場合でもローン支払い中の車は手放さなければなりません。「任意整理」の場合は、保証人付きの債務を「債務整理」の対象外とすれば、保証人への影響はありません。ただ、一度「ブラックリスト」に入ると、クレジットカードの審査も通過しなくなり、生活への影響も大きくなります。

 また、長年高金利の借金を続けていた場合、金融会社やカード会社に対して払い過ぎたお金を返してもらう「過払い金返金請求」が行えます。この制度は、「利息制限法の定める上限利率を超えているが、出資法が定める利率には達していないために罰則のない利率(=グレーゾーン金利)が平成22年の法改正まで存在していて、この金利で取引していた期間の払い過ぎたお金を返還請求できるというものです。ただし、「過払い金返還請求」権の時効10年間を過ぎていたり、金融会社やカード会社が経営破綻している場合は、利用できません。

 私たち司法書士などの法律専門家は、「債務整理」の煩雑な法的手続きを代行するとともに、状況に沿った適切なアドバイスとサポートをおこないます。

 借金問題は「債務整理」という法的制度を利用すれば、必ず解決できます。これまでの生活不安を解消し、人生の再出発を目指しませんか?