「法定後見」には「後見」「保佐」「補助」の3つの類型があり、サポートする人に与えられる権限や職務の範囲がそれぞれ異なります。
「後見」の対象となる方は、日常の買い物が全くできない状態、つまり判断能力が全くない方です。後見人には、対象者の財産管理や法律行為をおこなう「代理権」と「取消権」が与えられます。「取消権」とは、サポートされている人がおこなった法律行為を取り消すことができる権利です。
「保佐」の対象になる方は、日常的な買い物などは一人でできるけれど、不動産を売買するといった重要な財産行為をおこなう時に、誰かの支援が必要な方です。保佐人には、借金や相続の承認、新築や増改築などの不動産に関する行為に「同意権」と「取消権」が与えられ、これらの行為をおこなうには、保佐人の同意が必要となります。もし、保佐人の同意を得ずにこれらの行為があった場合には、取り消すことができます。
「補助」の対象者は、日常的な買い物などは一人でできるものの、重要な財産行為について、一人で適切におこなえない恐れがあり、他人の援助を受けたほうが安心だという方です。
「後見」や「保佐」の対象となる方は、医師や税理士などの資格、会社役員、公務員などの地位を失い、印鑑登録が抹消されます。 |